神創世記/みずうみ鳶
に水晶体の内壁に刻まれた
文字を読み取った
最期の光は
瞳に受取られことなく
宇宙に帰っていった
拡散した光の粒は
もう宇宙をどこまでも転がりつづける
波形文字の伝えた
新たな文化は
盲目の代償として
<眼は日時計になってしまった>
<僕は時計>
<時間は僕の内側から生まれる>
<恒星になった僕の眼球と太陽の相関関係>
<引力によって時間は決定される>
因果律の居場所を教えた
僕は盲目でありながら
すべてを知り
すべての落下物から身をかわすことができた
そして僕の言葉は
波形文字の音(おん)を奏で
臓器と同じ声で語り始めた
それが
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