黒い蝶が飛びだった。虹はまだ架からない。/創輝
立たせながら 光に 白に恋焦がれて
その愛を月が受け止めてくれる夢を見ながら眠りにつく
黒い蝶が 私たちを引力から飛び立たせ
新しい 言葉にするには難しく名づけないままにするには大きすぎる世界に連れてゆく
地球という名の母は黙ってそれを見送って
蝶の羽が濡れないところまで飛んだのを確認してから涙を流す
昔 黒い蝶は白い蝶にあこがれた
白い蝶は「光」だった 黒い蝶は「影」だった
一匹の黒い蝶が ある日夜空へ旅立った
太陽と言う名の「光」に照らされて光る月は「影」だった
そのとき
太陽のように燃え盛る「生命」が尽きて月の元へ旅立とうとする魂に出会った
だがしかし そ
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