あらゆるものは砂の数/ホロウ・シカエルボク
 
割を果たしてくれるなら、そいつがどんなものなんか知る必要はない、そうだろ?知ることは重要ではない、知ることになんて大した意味はない、大切なのはとらえることが出来るかどうかさ、その一瞬一瞬に、その時だけの名前をつけることが出来るかどうかさ、俺はそういうことのやり方を試し続けているんだ、俺は説明が必要なものになどなりたくない、俺は出来ることならただの疑問符でありたい、いつでも、いつでもさ、違和感と言ってもいい、しくじった溶接みたいな有様でさ、向うの景色を透過して見せてみたい、そんなものが俺が見ようとしているものに他ならないのだ、夜が凄い勢いで湿度を増して行く、明日までにいろいろなところで雨が降るらしい
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