星からおちた小さな人/あおば
潜り損ねた雨水は辺りを汚し
家の主婦に嫌われて
元大工の棟梁が仕方なく対処する
樋が腐った栗の木の葉で詰まって
雨水は溢れて壁伝いに流れ落ちる
流れた跡は薄汚い模様となって
いつまでも消えないから
詰まった腐った木の葉を取り除かなくてはならず
年老いた棟梁はアルミのハシゴを掛けて
おっかなびっくり一人で屋根に上がる
今では弟子もいないから
自分でやるしかないと思いこんで
危険な作業をしているのだが
落ちた場合の補償はどうなるかは考えない
落ちた場合
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