もう一人の僕から僕への詩/yamadahifumi
みんなが「それ」について語っている間
僕にはその意味がよく飲み込めなかったのだ
・・・僕にどうしてもみんなが
涙を流したり、愛したり、愛されたりする
そんな演技をしているようにしか見えなかったから
僕は死んだ事がない
僕は一度も死んだ事がない
これまで生きてきた事がなかったのだから
これからも死ぬ事はないだろう
僕は生きる事に価値を見出してこなかったし
そして、また死ぬ事にも価値を見出してこなかった
僕は僕自身である事を剥奪され続けてきたし
それはどこにいっても、どうなってもずっとそうだった
みんなが
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