もう一人の僕から僕への詩/yamadahifumi
僕は僕が誰かを知らない
僕は僕がどんな場所にいて
どんな人間であるかを知らない
僕は僕が誰かを知らない
どこに生まれて 何を話し
何を口にして 誰を愛し
誰から影響を受けて生きていたかを
僕は知らない
僕は生きた事がない
今まで生きてきた事は一度もなかったし
これからも「生きる」事は一度もないであろう
人々が「生きる希望」や「生きる勇気」について語っている時
僕は一秒たりとも
自分自身を生きた事がなかった
僕は涙を流した事がない
僕は人を愛した事も、愛された事もない
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