僕の親友/yamadahifumi
が世間で言うところの『希望』って奴だ。・・・物が見える人間には絶望しかないが、物が見えないという事が人を救う。俺達がこんなにも元気溌剌で、明日への希望なんて言っている事ができるのは、全部俺達の愚かさのためさ。俺達は目が見えないから、未来は明るいと、勝手に愚かな想像力を羽ばたかせられるのさ」
そこまでツダは言うと、持っていたグラスを置いて、目を閉じた。・・・僕はそこまでツダにまくしたてられて、何も言う事ができないでいた。自分の内心の中にはざわついていたものがあったものの・・・。
僕は店員を呼んで、水を二つ頼んだ。もうそろそろ潮時だったし、ツダももう随分と酔っているようだったからだ。・・・そし
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