先輩との話/yamadahifumi
先輩はやがて、大学を卒業すると、その持ち前の行動力と、嘘八百をつく能力をふんだんに使い、ある有名な一流企業に就職した。その企業にうちの大学から就職したのは、先輩が始めてだった。・・・それほどまでに、先輩の能力は・・・もとい、能力のある振りをするという能力が高い人間は、先輩の他には一人もいなかった。
それから十年の歳月が流れた。先輩は、今は三十三歳であり、僕は三十歳になった。十年の時の分、それだけ、年齢を重ねたわけだ。当たり前の事だが。・・・だが、その十年で全ては一変した。たった十年・・・されど、十年、だ。
僕はそれから、色々あって、ニートをやったり、会社員をやったりした後、フ
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