先輩との話/yamadahifumi
か、君ほど素敵な女はこの世のどこにもいない、とか、できるだけ月並みな、馬鹿な女でもわかるセリフをたんまりと使ってな。・・・で、その手には、例によって、俺が作ったメモを握らせたんだが、そこにはもちろん、俺の偽の名前と偽のメールアドレスが書いてあった。・・・で、俺がこんな事で、罪悪感を感じると思うか?え?・・・お前はどう思うんだ?」
「感じませんね」
と、その時の僕は言ったものだ。
「先輩がそんな事、感じるはずがないですね。むしろ、それを誇りに・・・」
「さすが、俺の後輩だ」
と、先輩は満足そうに頷いた。
「・・・いいか、こんな事で、女を騙した・・・なんて、罪悪感を感じる奴はバ
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