先輩との話/yamadahifumi
学してたからですよ。日本に来るのは二度目なんだ。そう・・・・それで、話が矛盾するようなら、「好きだ」って言って、抱きしめれば、それでいいでしょう?そうじゃないですか?先輩?できるでしょう?」
「お前がやれよ」
と、先輩は冷酷な声で言った。
「僕?・・・僕には無理ですよ。先輩、僕と先輩じゃ、もっている哲学が違う。いや、それ以前に、僕なんかの落ちこぼれじゃあ、そんな大役はできっこない。・・・言ったでしょう?・・・僕は三十にもなって、フリーターですよ。人間のクズ、落ちこぼれです。友達もいなけりゃ、彼女もいない。先輩みたいに、明るく朗らかでもなければ、他人に気の効いた嘘一つつく事ができない馬鹿
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