失われた花々に対する二、三の刑罰/青土よし
いから来る眠気に任せ、間も無く床に就いた。安らかな眠りだった。目が覚めると、家の中はまだ暗かった。その後も長い時間、寝返りを打って明るくなるのを待った。しかし、その夜を境に、彼の寝床に光が射すことも、妻の両目が彼を捕えることも、永遠に失われたのだった。
祖父はそれでもなお、あらゆる変化を待ち続けた。季節の花々を飾り付けた。番いの小鳥を飼った。中央を掘った木片に、細い蔓を張った弦楽器を作り、夜ごと音楽を演奏した。花は枯れ、小鳥は死に、音楽は終わる。祖母に関するいかなる微細な奇跡をも目撃することあたわず、祖父はすべてを諦め、家に籠るようになった。彼が何をしているのか、集落の者には窺い知れぬことであ
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