さよならのこと/はるな
 

すぐにあしたになってしまう今日 は黒くて、生えている星はぬるい。あしたになったら手に入らない、それとか、夜のたべものとか。背中にはえていたのは、よろよろした壁 ・ だれもいないから、黒を白にしてもわらわれない。わらわれないけどそれがつらい。かなしいのはしっている。しっているのは何も。なにもかも、部屋にしたかった。覚えていることばすべてで飾って、きみにあげたかった。

わらわれても、だいじょうぶだった。でも夜がこないと、だめだった。わたしはカーテンがすきだった、それはゆれるもの、そして窓のためのもの。窓のためのものがほかにあったろうか。便所のあじのする酒をのんで、くちのうらにもあれが生えてく
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