存在の肉/はなもとあお
 
存在の肉



身体に備わった物質
肉には
心地よいか
心地悪いか、の
世界がある

肉は
その肉を保つために
食事を必要とする

肉は
欲望をまとい
裸を欲する

正しさはどこにある

肉に
通う血は
生命の流れ

意志はどこに通う

肉のおもむき
肉の感受性
肉と肉の挨拶
肉の他者性

わたしたちはすれ違う
言葉という透明な心を持って
わたしの横たわる身体は
ひとり
何も体現しないまま
透明な心を記し続ける

世の中は

肉のない空洞は
説得力に欠ける

だからといって
透明な心を
無視していい訳では
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