生きる気持ちは歩く死体の中に/ホロウ・シカエルボク
 

どうしてそんなにあちこちでぶっ倒れているんだろう
そういや昨夜は遅くに火事があったよ
一際けたたましい鐘の音が鳴り響いていた
火事で死んだ奴らは一つところに寄り集まって
たった一つの小さな肉の塊になるんだそうだ、いや、ただ思い出しただけ
昔本で読んだ話をただ思い出しただけのことさ
くだらないことを話してんなって笑ってくれればそれでいい
そうさ、そんなに分かりやすいことは
この世の中にはそんなに溢れてるわけじゃない
あらゆることはただ散漫に、あちらこちらに漂っているだけさ
生や死の明確な定義を、あんたは何処かで見たことがあるっていうのかい?
受け止めた
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