こがね ふちどり/木立 悟
 





水滴の柱が
ゆうるりと地に立ち
午後と夜を映し
震えている


沈みきるまで
樹を見つめる月
荒れた青を
荒れた灰の的に射る


諦められた水色のむこう
冬のような真昼の姉妹
明るさと刃と
一本の径


祭はふたたび祭となり
命を巡る渦を描く
岩と岩の重なりの淵
神でさえも分からぬ化粧


終わりだという兆しなのか
それとも既に終わりなのか
曇を待たずに雨を弾く午後
身を切るように腕ひらく雪


紙の湖面
ひろがる波紋
いけどもいけども
廃屋の国


水へ水へ傾く岩が
あるはずもない樹の影を見る
皆も己
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