こがね ふちどり/
木立 悟
も己も空も知らぬ
ただひとつの曇がすぎる
埋もれた十字
咽の渇き
土を撒く足
冬を彫る径
街の傍にころがる冠
冬の原を映す冠
手わたすたびにこぼれる蒼
かしずくものらを照らしている
銀と鉛と灰の標が
別の方を指して倒れる
霧はまるくやわらかく
背しか見えない生きものに添う
たくらみをふちどり
無に至るまで明るく
夜の径をつかむ手のひら
曇間をすぎる声を聴く
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