ジェンダー/はなもとあお
 
いくつもの価値感をつきつけ
それに泣いてきたわたしが内側のちいさなわたしとして悲鳴をあげるから
ともに歩めなくなった
こどもを産むまえの、かわいさを装った従順は、
わたしのこどもを傷つけるな、という牙に変わった
遺伝子の夫は、どこまでも男で、父性は置かれた立場の規律しかもたらさなかった
彼もまた、こどもの自分と戦っていたとしても
夢みて話していた理想像ではなく、厳しさでしか接することの出来ない現実に
わたしは絶望した


男は、男でしかない
子どもを育てる時期でも
妻に女性をもとめる
そしてまた
社会的にも
働く女性を称えたり
それが良妻賢母とされるから
わたし
[次のページ]
戻る   Point(7)