能動的な夜に反射するものたち/ホロウ・シカエルボク
へ出向いては
小便を漏らすのではないかと神経質になり
睡魔を中断させて便所へと籠る
悪い流れだろ、と頭の中で誰かが言う
悪い流れだけどいまのところどうしようもないよね、と僕は答える
水を飲むのを止めればいいじゃないかと思うかもしれないけれど
そんなことをしたら結局
朝まで喉が渇いていらいらしてることになってしまう
灯りを落とした部屋の中で
遮光カーテンのわずかな隙間を
流れてゆく能動的な夜を見ていたんだ
生まれて死ぬことを誰かに教えてもらいたくて
そしてそれは時計のように知ることが出来るものなのだろうかって
能動的な夜を見ながら考えていた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)