能動的な夜に反射するものたち/ホロウ・シカエルボク
 
見ます
高速エレベーターの床が上れば上るほど床が剥げ落ちて
立てる場所を探さねばならないほどになったり
ひどい岩山を装備も無くただ登っていたり
まるで誰かが夢の中で僕のことを落下させようと目論んでいるみたいな
そんな夢をよく見ます
幸いにしていままでそこから落ちたことはまだありませんが
いつかそこから落ちることがあるのではないかと気が気でなりません
夢はなぜ僕を高いところへ連れていこうとするのか
その夢は嬉しいようでもありまた哀しいようでもあるのです


一匹の弱り切った小さな甲虫を安全靴の爪先でからかっていたら
よろめいて踏み潰してしまった

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