燃えないゴミの日/オノ
なったものや、あるいはただの記憶となって
脳にとどまっているものはどう足掻いても自分から切り離すことができない。
逆に、その食べ物、場所や催しに触れるたびにふいにその本人のことを
思い出すはめになるのだ。
それから私は彼女にどう考えても嫌がらせとしか思えない蛮行を、週に一回、
決まって月曜日にはたらいた。燃えないゴミの日だ。
私は彼女のメール宛に、二人で一緒に行った場所の写真を、わざわざその場に
赴いて撮影し、撮りたてほやほやのうちにを送るというようなことを始めた。
これにはなかなかの精神力を要したが週に一回で一年半、実に80回近く
欠かさず実行することができたし、そのことに
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