クローゼットに潜む魔/夏美かをる
 
がら
洋服の間を我が物顔で飛び回っていた一団は
私の存在を認めると
一斉に目ん玉をひんむいてシェーッと威嚇した
たじろいた私は慌てて扉を閉めた

それにしても何故彼は何日も
平気で竜を飼っていられるのか?
そのうち奴らはクローゼットからはみ出し
我が家を占領してしまうのではないか?

私は気が気でなかったのだが
竜退治は男の仕事だ!
彼がやる気になってくれるのを待つしかないのだ

そのまま半月近くが過ぎた
竜はどうなっただろう?
いくらなんでも、もう彼が退治してくれただろう
そう期待しながら ある日
そぉ〜とクローゼットを開けると…

じぇじぇじぇ!まだい
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