あらゆるものが性急なスピードでこぼれ落ちていく/ホロウ・シカエルボク
のを出してしまった今、寒気の他にひどいものはもうなかった、蛇口からほとばしる水を両手ですくって、口の中をゆすぎ、それから水を飲んだ、信じられないくらい美味いと感じた、蛇口から直接水を飲むなんて何年振りだろう?それは信じられないくらい美味かった、少し呼吸を落ちつけてからシンクに顔を突っ込んで蛇口から落ちる水をそのまま受け止めて飲んだ、それはピンボールのようにすぐに俺の胃の中に落ちてきた、俺は床に腰を下ろし…両手で顔を拭った、なにもかもがぐっしょりと濡れていた、顔も、手も、服も…あるところまでは雨で、あるところまでは水道の水だった、今は、そのことが気持ち良かった―水が―激しく流れていた水が一瞬、結核持
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)