いらない夜に/ホロウ・シカエルボク
 
かもしれないという
そんな
態度で
もちろんそこには何も隠されてはいない
消すのが難しい火のような
くすぶりが
青い火花を上げているだけで


そいつは
今は無い接続端子の
片割れを持った
スピーカーコードみたいなやつで
当然のことながら
たいていのアンプとは
繋がることが出来ない
コネクト出来ない時の
特有のノイズを聞きながら
ああ、またか、と
そう
思うのだ


時刻は午前三時で
そんな時刻が出てくる詩を
そいつは
前にも書いた気がする
そう
確かに書いた
手足の無い男か
オクタゴン
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