教室/吉岡ペペロ
神様、仏様、ご先祖様、
ぼくは手を合わせて祈っていた。
目の前では先生が怒っていた。
神様、仏様、ご先祖様、
本当に手を合わせてぼくは祈った。
先生はいちにちにいちど烈しく怒る。
きょうは給食の準備中でだった。
なんで先生がこんなに怒っているのかは重要ではなかった。
神様、仏様、ご先祖様、先生の怒りがおさまりますように、
先生が突然ふてくされたようになってぼくらに質問した。
「おい、きみたちのなかで、この空気をかえれるひと」
静まりかえった教室に水田くんの声が響いた。
「にどとしません!」
先生が黒板をバックハンドで叩い
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