(2)アーヤと森とふしぎなひかり/吉岡ペペロ
ての匂いがしていたから、アーヤに気づかなかったのよ、
お母さんに説明されてもアーヤの気持ちはおさまりません
それ以来アーヤはヒョウスケくんと口をきいていません
それからもとおせんぼの木のねっこをいくつもまたぎました
アーヤは少しつかれてしまいました
うえを見上げてひと息つくと木々の枝葉の合間に木漏れ日が見えました
閑けさが耳のなかでわーんと鳴っています
あ、いけない、
我にかえってアーヤはまた歩き始めました
遠くにすこし強いひかりが見えてきました
まあるい芝生が森のなかにはありました
そこだけいちめんひかりが降りていました
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