さよならルル/吉岡ペペロ
 
?」
「リリもなの?」
「仲間のなまえとあのときのことは、おぼえているわ」
「あのときのこと・・・かあ」
「だって、尾で泳いでたときのほうが・・・」
「きもちよかった!!」
ふたりは同時にそう鳴きました。
「蚊や蝿も、たくさん食べるときもちよくないよね」「だってあたしたち、生きるために食べるのが・・・」
「きもちいい!!」
また同時に鳴きました。
「まんぷくだとだるくなっちゃうもんなあ」
「そう、そうなのよ、満たされるとそうなるのよ」
ルルはリリと見つめ合いたいと思いました。
でもそれは無理でした。
ルルの目もリリの目もいつも上を向いていて、見つめ合うことはできなかった
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