北の亡者/Again 2013皐月/たま
 
のはその
年の二月だったと思う。毎日、畑に通っては、ジ
ャガ芋の芽が出るのを心待ちにしていた。

詩を書くことは畑づくりと似ていると感じたのは、
ずっと、後のことだけど、畑づくりとともに、わ
たしの詩は成長したのだろうか。畑づくりは、土
づくりだと言う。たとえ借りた大地であっても、
それは一期一会のような付き合いが、毎年、春が
来るたびに更新されて続くのだった。人ではなく
、季節もまた、一期一会なんだと気づいたとき、
「北の亡者」が誕生したのだと思う。もちろん、
そこにわたしを導いたのは、も吉だった。

ことしの五月はいつになく気温が低く、トマトや、
ナスビや、トウモ
[次のページ]
戻る   Point(35)