傍観から批評へ/葉leaf
 
身が変化する契機を作るものである。
 だから、物事を批評することは、まず、物事の価値がどんどん薄められていくことに対する抵抗として、一つ一つの物事をより豊かにより完全なものとしていくことである。次に、物事に対する評価の言説を発することにより、その物事への他者の関心を喚起し、その物事に対するさらなる批評を誘発することである。つまり、物事を社会に対して開いていく行為である。さらに、批評とは、批評者自身が行為することによって、批評者自身をも評価の対象として社会に開いていくことで、批評者に対して様々な価値づけを引き起こし、その価値づけを通じて批評者自身もより豊かに完全なものになっていく。そして、批評する
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