傍観から批評へ/葉leaf
よう。あらゆる物事はそれ自身として完成されていない。あらゆる物事は、それについての他者の行為に対して開かれている。傍観とは、物事の開かれに参与しない態度であるが、批評とは物事の開かれに積極的に参与し、その物事をより豊かにし、その物事に様々な価値を付与する行為である。批評は物事を価値づけることによって、その反射として批評者自身の価値も高め、また批評行為に対する他者の反応・価値づけに自らを開いていく行為である。傍観において傍観者は他者に対して閉ざされている。だが、批評において批評者はその行為性において他者に対して開かれていくのである。そして、批評という行為、対象という他者との接触を通じて、批評者自身が
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