錆びた世界の朝/ホロウ・シカエルボク
のご飯を作って食べていた、私はどうしてあの人を殴れないのだろう、私はどうしてご飯を作ることが出来ないのだろう、私はいつもどうしてこんなに殴られるのだろう、私はいつもそんなことばかり考えていた、身体のどこにも傷がない時でしか学校に行くことは出来なかった、同じクラスの人たちはいつも、私を知らない人を見るような眼で見た、私はいじめられもしなかった、いじめられるほどに認識されても居なかった、私はただ、色のついた空気のようなものでしかなかった、こうしてきっともうすぐ死ぬのだろう瞬間に思い出すことなんて、夏でも冷えた氷みたいに感じた台所の床のことばかりだ、コンクリートだから夏でもひんやりしているのよ、と、いつ
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