KARADAからでてくることば 〜真美鳥のアルバム『ピラニア』 について〜/さわ田マヨネ
ているところはあるように思える。そうやって”キミ”と”あ なた”の距離が、強く重なったりやんわり分離していったりしている。
そんな”キミ”という言葉の意味あいについては、さらにその後サビ(?)に入っ て”君等”という、今度は複数形の二人称がでてくることで、また違った性質を帯び ていくことになる。終盤の流れと対比されて”キミ”はもっとパーソナルな立ち位置 に寄っていくようでもあるし、別の言葉がでてくることでより存在がゆらいでいく ようでもある。ちょっとした君の危機である。
ではそもそもここにでてきた”君等”というのは、いったいどういうものなのだろう か。終盤の部分もみていこう。
まずこの
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