KARADAからでてくることば 〜真美鳥のアルバム『ピラニア』 について〜/さわ田マヨネ
いたのに、主格の 存在自体も不明瞭なものになってきていて、そのうえボクがキミであったりなかっ たりしている。かなりむちゃくちゃになってきている。魚や鳥や地名が具体的に挙 げられていくくせに、人の存在が結構あやうい。 ”世界の すみから すみまで ゆきたい”とはじまって”君等は これから 未来へ ゆくのさ”ととじられているこの曲は、拡がりをもたせたポジティブなトーンでき れいにつながっているようではあるのに、これだれが言ってるのっていうわからな さがある。
それがリアリティをともなった言葉としてアウトプットされているからちょっとた ちが悪い。実存はあやふやなのに実感がこもって響いてくる。 そもそ
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