KARADAからでてくることば 〜真美鳥のアルバム『ピラニア』 について〜/さわ田マヨネ
 
”いやなこと こわいこと 忘れたころに おもいだす”ひとは”君等”の対象 にも入ってくると考えていいだろう。ただ問題なのはその”いやなこと こわいこと 忘れたころに おもいだす”のがだれなのかわからないというところにある。おも いだすのが直後に出てくる”キミ”となればいくぶんすっきりしているのだけれど、 主格である「ボク」となってくると話は全然変わってきてしまう。サビの前後で主 格が別のところに移ってしまうからだ。「ボク」だったものが”君等”の一員として 呼びかけられていく構図になるのである。いろいろ考え込んでいくとややこしく なってくる。ただでさえ”キミ”が”あなた”や”君等”の間でゆらいでいた
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