2013-3-31/南条悦子
のではないか、という一つの試みです。小説世界において「私」という概念を僕が述べた場合、その「私」は私たりえますが、同時に私と他なるものにも読み手は知り得ます。それは人称の区分け。一人称”I",二人称"you",三人称”they”'he""she"。「私」という人称の中に「僕」であるところの私自身が織り込まれているとともに、それ以外にも「私自身」であるところの「あなた、彼、彼女、彼ら」が含まれている。レヴィナスの環世界の中で認められたのはこのような平面に人称をおく試みだったといって間違いないと思います。そうであるから、あなた方からすれば、こ
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