2013-3-31/南条悦子
、これは実現不可能及び現実を写実していない絵空事、「ガセネタ」ということになるのでしょう。それと関係して、一人目の質問者がおっしゃられた事柄”現象学的知見、精神分析学的手法を患者が自らの世界において挿入することで、症状が悪化する”
これは僕の経験からしてもうなずけますし、これは推測するに次のことが原因だからだと思います。すなわち、患者は医者に自身の症状を説明する。医者は患者ではない。さらにはその医者は「私」であるところの患者よりも知性の面で劣っている。こうして医者は患者の意見をある一定量聞き入れる。ここに患者の特権性がうまれます。ただ、この特権性は構造的に成就しえません。この構造とはアカデミズムの壁です。臨床と学術領域の明確な境界分けが患者の自らの理解を医者に向けて認定させるという行為は、学術領域に居ない、研究者として屹立していない「私」に回収されて、そのことが反発となります。 」
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