ぼくらの夏/梅昆布茶
 
シーを冷やす

そのあと僕たちは花札をしてこいこいで僕がぼろ負けした

やくそくだからって罰ゲームの落書きを顔にされた

彼女はぼくにちょび髭を描いてひとりでうけている

彼女は名うてのスタイリストだが実家はこんな感じで

僕の田舎とさして変わらないし空気が同じだ

午前中通った洞窟は冷んやりとして空気が露を含んでいた

東京は田舎者の集まりだが

みんな何時の間にかすました都会顏に変貌してゆく

それが正しいのか僕にはわからない

クライアントに振り回されへこへこ機械人形の様に頭を下げて

横柄な顧客を減らさないように氣を配る

すり減らした神経だ
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