アトリエのブルー/まーつん
惜しげもなく散っていく
日捲りのカレンダー
パレットの上に絞り出す
雑多な色合いの感情は
ぶつける相手のあてもなく
歳月の隙間風に吹かれて
固く干からび 縮こまっていく
きっと だめなんだろうな
そんなことでは でも
俺には 美しい絵なんて描けない
壮大なパノラマを繰り広げる
新天地の風景画
燃え上がる愛を炊きつける
熱き眼差しの肖像画
一点透視の彼方に結び合わせる
まっすぐな道のりの終点
そんな
真っ当なスタイルは
俺の人生には無縁だった
見なよ
古い傷だらけのパレットの上で
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