セプテンバー山男/カンチェルスキス
 
しぼみかけてはいたが
 かわいい顔立ちをしていた
 パレットに積んだカタログのラップの包み方とかいろいろ教えてくれたが
 口が臭かった
 何百年も伝統の口臭を継ぎ足してきたかのような悪臭だった
 足の臭い女はいいけど
 口の臭い女はおれはだめなんだ
 おれはそいつとしゃべらなくなった
 と思ったら
 そいつは他の若いやつのところに行き
 人に何かを教えるのを楽しんだ
 そういうやつだったのだ
 階段の下で
 休憩時間に
 暴走族上がりの派手な金髪女が
 シンナーの代わりに宅配のヤクルトを飲んでた
 パートのおばはんたちが
 グループを作って
 いつも決まったやつ
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