まだ見ていないものがある限り俺は何も知らない/ホロウ・シカエルボク
 
い、まだ聴いていないものがある限り、俺は何も知らないのだ、俺にお前の程度を擦り付けようとするのはよせよ、指についた糞をつけるみたいにさ、そんな程度のものはもう見飽きた、そんな程度のものは―こねくり回せば、積み上げていけばなんとかなるなんて程度のものはさ―お前は業なんてものについて考えたことがないだろう、やむにやまれぬ発端のことを、生身の体内で騒ぎ出すポルター・ガイストのことをお前は知らないだろ?俺の理由のすべてはそこにある、それがきっと俺とお前の違いさ、お前が言っているようなことに俺は興味がない、俺が打ち破りたいものは俺の脳髄だけ、他のことになんかまるで興味がない―ナントカ様ごっこがしたけりゃ俺の
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