ふたつの終焉/葉leaf
 
僕が振り向いてもすぐさま背後に回られるので僕は堂々巡りをしながら社会からやって来た奇妙な来訪者の悪口雑言をすべて却下したつもりでいた。しかしブリキのおもちゃはいつの間にか牛になりその黒い眼に満々たる憎しみを湛え、さらにはいつしか虎となりその体重で僕は大きく突き飛ばされた。僕の背後ではこのように社会がむくむくと黒い煙を吐いており、やっと僕は社会を振り返ることができた! だがその瞬間、舞台は劇場、振り向いた視界には満員の人たちがてんでに僕のことを嘲笑している、大笑いしている、嘲笑は釘となり僕の全身に打ち込まれ、嘲笑は鋏となり僕と人々との親愛の鎖を断ち切った。そうして愛は、包み込む無垢な仮想された愛は、
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