ふたつの終焉/葉leaf
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美しいものは汚されるためにあるのです。隠されたものは暴かれるためにあるのです。邂逅のように、再会のように、死別のように、僕はどのような重力とともにでもこの映像の糧の中を泳がなければならなかった。歴史の埃によって彩られてあるために一層美しい、伝来の白磁が善人によって路上で割られた。それぞれの破片はとたんに険しく人を傷つけるものとなり、それまでの滑らかな形体を失い、雑踏と喧騒とあらゆる無関心によって研ぎ澄まされてすべての声を吸収した。少年であるということは、大地から生え出たままの内側であるということだ。美しくふさがった光の体に歴史の血液を引き込んで、本質的に何物も裂けたり欠けたりしないと
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