マーチ/uraocb
 
きたから
両親には当然知られていなかった
毎晩稼いだ金を早朝のホストクラブに使う
サラリーマンから吸い取った金が
ホストに流れる
何も残らない
それでも止まらない
何も残らない
それでも止まらない
惑わされ続ける
光り輝く夜の喧騒を 断ち切った

三月二十日

その日は
雨が降っていました
冬の冷たさが舞い戻る街に
葬儀場まで 長い列ができていました
誰もが悲しみに暮れた顔を
示し合わせていました
その時に思ったのです
おそらく これからわたしたちは
その人がいなくなったことを
確認するために泣く
自分が届かないと
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