マーチ/uraocb
いところで
いつか届くかもしれないと思っていた
手を振り払われ 突き落とされたことを
受け入れるために泣いている
僕は
彼らや彼女ではないし
ましてや
彼ら彼女らは
僕ではない
そして
別れを告げにきた
彼でもない
葬儀場の中で
主を失ったバンドが
主の歌を演奏していました
いつ切れてもおかしくない緊張の糸が
演奏が終わると同時に切れる瞬間を
見ました
ある者はその場に倒れ込み
ある者はその場に泣き崩れました
空間は浸され
沸きあがり
激しく激しく
揺り動かされました
それ
でも
ただ
ひとり
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