砂をんな/salco
の反映に過ぎませんでした
こうしておんなは情けを乞い
もらった心映えを食べてぶくぶくと肥え
口を開くと腹に貯め込んだ水が
たぷん、たぷんと揺れるような
恩恵の音を立てるのでした
それは大そう心地のよい音色でしたが
人懐こいおんながしなだれかかるばかりで
何一つしようとせぬのがわかると
だれもかれもが離れて行きました
何て冷たい人なのかしら
どうしてああも薄情になれるのだろう
そうだ
優しさのない人達からは離れていよう
ああ、寂しい
悲しい
つらい
おんなが泣くといつしか
目から砂が流れるようになりました
砂はさらさらと頬を伝い
さらさらと胸をすべ
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