詩とフィクション 詩と向き合う/葉leaf
面のことであり、その中で走るとは、犬が自分が走っていることをその内面で把握していることを言っているのだ、そう解釈すれば、この詩が真実を語っている、と解することも可能です。この意味で、この詩はフィクションともノンフィクションとも決定されません。次に、田村は本当のことを語ろうとしているように見せかけながら、自分の書いた詩が難解なものになってしまったから、嘘のことを語っていると思われても仕方がない、そういう気持ちでこの詩を書いているように思えます。その意味でも、この詩はフィクションともノンフィクションとも決定されません。また、私たちも、田村の真意を汲み取ろうとしてこの詩を本当のものとして解釈しようとする
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