詩とフィクション 詩と向き合う/葉leaf
ションであるかについては、(1)その文章が実際に現実と対応しているか、(2)語り手がその文章を本当のものとして語っているか、(3)受け手がそれを本当のものとして受け取っているか、その三つの要素を考慮しなければなりません。
この「岩が」という詩は、まず、現実の川の流れとそこにある岩とそこを泳いでいる魚についてありのままを語っています。この意味でノンフィクションです。次に、吉野自身、自分の経験、自分の実感を、本当のものとして語っています。その意味でもノンフィクションです。そして、読み手も、この詩を吉野が真実を語ったものとして受け止めるでしょう。その意味でもノンフィクションです。
つまり、この詩
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)