詩とフィクション 詩と向き合う/葉leaf
の詩はノンフィクションである詩の典型例と言えます。ノンフィクションである詩に向き合ったとき、私たちは、詩人のありのままの声に耳を傾け、それをありのままに受け止めて、その思想なり経験なりを共有するのが望ましいと言えます。
では次の詩はどうでしょうか。
よく判断できなかったが、彼女らは、何かかすかな歓喜に酔っているらしい。かわるがわる、交替しては、殺し合っているのだ。
ひとりが痙攣しながら死ぬと、次は、生き残った娘が、死んだ娘に、胸を切り裂かれる。剃刀が閃めき、麻縄が舞い、やがて、彼女らは、ぼろのように、ちりぢりに散乱して、雪に埋まったのである。
(粕谷栄一「犯罪」より)
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