詩と科学 詩と向き合う/葉leaf
 
における「体積」のように、抽象的に数量化されたりはしません。むしろ、「家」という言葉は、それにまつわる様々で雑多なものを詩の中に持ち込みます。例えば、ガストン・バシュラールというフランスの哲学者は、『空間の詩学』において、家という言葉の呼び起こすイメージを非常に細密に描いています。例えば、家は「われわれの最初の宇宙」であると言っています。家は私たちが生まれる場所であり、幼年時代を過ごす場所であり、私たちが眠る場所であります。詩の言葉というものは、連想によって、その言葉にまつわる様々な人間の体験を呼び起こすものなのです。
 デイヴィド・アームストロングはジョン・ロックという哲学者について次のような
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