ポエトリーワールド 詩と向き合う/葉leaf
 
美術史家などによる地位の授与であるとします。芸術に関係する人たちが、或る作品を芸術として評価されるべき候補として要求し、それが制度により認められると、その作品は芸術になるとするのです。
 ディッキーの観点からアートワールド、そしてポエトリーワールドを見た場合も、平戸の詩がどのようにして詩として認められていったかが説明できます。平戸の詩は、彼の死後、昭和六年、川路柳虹、萩原恭次郎、山崎泰雄、神原泰の共編で『平戸廉吉詩集』として刊行されました。つまり、平戸は、詩の世界の住人として、自らのテクストを、詩として評価されるべき候補として要求し、それは実際に、川路らによる詩集刊行として、それが詩であることが
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