ゼリー/竜門勇気
甘くて形のない形
二十歳の盛りに夜は硬い
直ちにわたしに欲しいのは
探しに来てくれる人
でもだってのに!
ゼリーの売り場は甘くて形がなくて
そんな運命を独り占め!
景色が見える窓の近く
ゼリーは向こうからわたしをみているのです
さっきすれ違った人も
なんかさみしそうだった
丸めた背中に
空っぽのリュックを背負って
けどさっきまで!
ゼリーを口に運んでちょっと笑って
きっと骨董品みたいに安定した目で!
この公園が見える窓辺で
ゼリーの向こうからわたしを見ていたんです
さっきすれ違った人は
昨日もすれ違った人
丸めた背中
普通にしてても笑った顔
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